やってはいけない不具合報告

しばらく間が空いてしまいましたが、また更新をしていきたいと思います。

先日、とあるサービスが個人情報の漏洩をやってしまいました。
メールアドレスがCCで添付されてしまうという不具合だったのですが、サポートをよく知るものとしては、ありえない流れをたどっていましたので、ここでどこに問題があるのを点検したいと思います。

そのサービスではメールアドレスの漏洩が発覚した時点で該当サービスを「緊急メンテナンスのため」ということでいったん停止しました。その後に被害者に向けて、外部非公開のことという一文とその末尾に顔文字をつけたメールで謝罪をしました。被害者は該当サービスのユーザが集まる掲示板で全文を転載します。それを見たユーザはニュースリリースがないことを不審に思い、サポートに対して問い合わせを行います。その後、翌日午後になって、ようやくニュースリリースを掲示します。しかし、該当サービスのニュースリリースには連絡先や責任者氏名が掲載されていない不完全なものでした。

何が問題なのか。
まず、緊急メンテナンスとしてサービスを速やかに停止したまではよかったのですが、ニュースリリースもなく、いきなり被害者へ謝罪メールを投げたのは失策です。謝罪メールの送信と同時にニュースリリースも公開して、広く周知を図るべきでした。
また、謝罪メールを転載禁止としたのは無意味です。転載禁止と書いたことで却って被害者は「ふざけているのか」という思いになり、該当メールは拡散します。
さらに顔文字を載せるなどというのは言語道断です。被害者は謝罪メールで過敏になっているのに謝罪メールに顔文字を掲載するなど真っ当な企業のやることではないと断言できます。
そしてニュースリリースが遅すぎます。被害者への謝罪メールから1日経過してからでは、思い込みや噂がどんどん広がってしまい、解約者が増えてしまっている現状です。このサービスでは日ごろからサポートの質が悪いという不満がユーザの間に存在していたため、さらに輪を掛けて解約者が増えてしまったようです。

今回のケースではどうしたらよかったのか。
まず、1時間から2時間程度遅れてもよいので、ニュースリリースと謝罪メールは同時になされるべきです。さらに可能であれば、期間限定でよいので専用問い合わせ電話窓口を用意して、事態収拾に努めるべきでしょう。「被害者ではないが賠償を払え」といったくだらないクレームには対応する必要はありませんが、サービスへの不満を収集する格好の機会と捉えるのです。被害者以外は直接の被害がないので、日ごろの鬱憤を晴らすだけですが、そうした鬱憤の中に問題点がかなり潜んでいます。さらに収集した声をまとめた上で今後の改善計画をニュースリリースとして公開することで、プラスマイナスゼロくらいには持っていくことが可能です。不祥事はマイナスですが、ここで集めた声を生かしていけば長期的にはプラスにすることが出来ます。
さらに企業としての姿勢をもう一度考え直すべきです。IT系の新興企業にありがちですが、謝罪ニュースリリースに責任者の氏名がない、問合せ先がないというのはありえない問題点です。今回の問題を誰が改善するのか、顔を見せることが重要です。また、謝罪メールは真摯であるべきです。様々な場所へ転載されることを前提にしっかりとした文章を練り上げるべきでしょう。謝罪メールに顔文字なんてありえません。

こうしたことはサポートのプロを抱えていれば回避できる、当たり前の鉄則なのですが、プログラマや営業にサポートをやらせようとするとこうした点がおろそかになります。新興ベンチャーにいま一番必要なのは、サポートの最前線で5年以上のキャリアを持つ、サポートのプロによる構造改革だということがこの事例からも明らかであるといえます。

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