日本のよさはなんだったのか

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かつて日本の家電や自動車は世界中を席巻しました。その理由はなんだったのでしょう。
様々な要因があるなかで近年忘れられていることに「アフターケアのよさ」があります。日本メーカーの製品は何か不具合が発生した場合、修理交換の迅速さと二度と同じ事態を引き起こさない改善がキーポイントとなっていました。さらに不具合までいたらなくても判らないことがあった場合には丁寧な回答があるという体制も魅力だったとされています。

これを真似たのが欧米のコンピュータならびにIT企業です。欧米から日本へ進出した外資系企業の多くはコールセンターを自前で構えています。amazonにしてもDELLにしてもはじめは中国においていたものの現在では日本国内にサポートセンターを置いて保守体制を充実させています。

一方、日本企業はどうでしょう。大企業における製品サポートのアウトソーシングは今でも一般的ですし、IT系企業のサポートレベルは各種掲示板でいつも酷評されています。日本国民の要求水準が高いという面があるにしてもそれであれば外資系企業も同じように評価が落ちていなければならないはずですが、その評価は日本企業よりも高い状況です。

なぜこうなってしまったのか。日本企業に「サポートは金食い虫で出来るだけ投資すべきではない」という考え方がこびりついてしまっているからではないでしょうか。特に日本のIT企業はサポートのレベルが低すぎます。かつてlivedoorが堀江氏の逮捕で「虚業」と呼ばれた時期がありました。しかし、当時のlivedoorはサーバ品質において日本トップレベルであり、堀江氏が逮捕されたときもlivedoorのサーバは多少重くなったものの落ちるということはありませんでした。これと同時に当時のlivedoorのサポート窓口というのは大変に高レベルでした。技術的に難しい回答から初心者の質問まで、相手のレベルに併せた回答が出来るだけでなく、著作権侵害への対応なども抜きん出ていました。だからこそあそこまで事業を拡大できたのであり、虚業でもなんでもなく、当たり前の結果だったのです。

楽天の日商が過去最高などと報道されていますが、正直楽天の現状はサポートという視点で見ると最低です。今後、楽天が伸びていくためには、そろそろしっかりとしたサポート体制を整えていくべき時期に来ているといえます。これは他のIT企業でも一緒です。様々なサポートを経験してきたサポートのプロを「CSO(chief support officer)」として迎え入れる覚悟が求められていると思います。