夜学の看板は東洋大と東京理科大になるのでしょうか?

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2009年4月、早稲田大学社会科学部は、従来の昼夜開講制から昼間部に移行します。

かつては理工学部も含めて全ての学部で夜間学部を設置していた早稲田がついに夜学の看板を下ろします。夜学といえば早稲田だったのですが、勤労学生の減少という趨勢にはかなわなかったということでしょうか。

夜間主コースという名の実際には昼間にも通わないと卒業出来ない夜学が増える一方で、純粋な夜間学部は減少の一途をたどり、いまや夜間主コースですらなくなりつつあります。本文には「文科省によると、07年度に夜間部を置く大学は国立2、公立2、私立16の計20校。」とありますが、そのほとんどは単一学部です。複数の夜間学部を設置している大学はほとんどありません。さらに文系の主要な学問系統をそろえて幅広く様々なことを学べるのは文・法・経済・経営・社会と5つの夜間学部を設置している東洋大だけ、理系の主要な学問系統を学べるのは理・工の2学部でそれぞれ数学・物理・科学、建築・電気・経営工の各学科を設置する東京理科大になってしまいました。

この状況になると「余資なく、優暇なき人々に社会教育を」という創立当初の理念を大事にして辛抱強く残し続けてきた東洋大ともともとが夜学がスタートで社会に広く理学の普及を行うことを学是として伝統的に夜学を大切にしてきた東京理科大が、夜間に学びたい人たちのニーズを一点集中で受けることになるのでしょうけど、それはそれで選択の自由がなくなるということでもあり、高等教育の多様性ということを考えるとどうなのかな、と思っています。