最悪の事態を想定せず忌避する日本社会

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日本社会ではサポート職というのはあまり重視されず、足がかりにしてほかへ行こうという人が多い職種です。しかし、諸外国ではサポート一筋という方が結構いらっしゃいます。この違いはなんでしょうか。

サポート職というのは常に最悪の事態を考えます。最悪の事態がどうなるかを考えながら日々対応するのがサポート的な考え方なわけです。しかし、日本社会では「いまから失敗したときのことを考えてどうするんだ」といわれてしまいます。福島第一原発などはまさしく最悪のケースを想定せず先送りにしてきた結果といえます。これが大きな違いです。

ここでいう最悪の事態がどうなるかを考えるというのはなにも絶対に失敗しないように完璧な防御を固める、ということではないのです。現状なされている問題発生時の防御壁すべてが消失してしまった場合にどのような対応を取っていくのか、という点を想定するのがサポート職の考える最悪の事態です。ですからはじめから場当たり的な対応をしていくのではなく順番に対処を進めていきます。

日本社会は諸外国に比べて住みやすいいい社会だと思いますが、「失敗を想定しない」という点が決定的に欠如してしまっているためにひとたび何か大きな問題があると「想定外」が繰り返されてしまうのです。

日本企業のサポートはどうも場当たり的な対応が多すぎると思います。それは最悪の事態は「来ないもの」と空想し、サポートに掛ける費用は無駄な費用としてしまう誤った方向性にあるのではないかと考えます。これからを考えると日本企業に足りないのは最悪の事態に備えるサポート専門職の養成と地位向上が極めて重要だと覚悟を決めることだと思います。